筆のボサボサを直す方法!広がった筆先をまっすぐにするには

筆のボサボサを直す方法!広がった筆先をまっすぐにするには

筆は手入れを怠ると、すぐボサボサになってしまいがちです。本記事では、筆先が広がる原因・まっすぐに直す方法、そしてボサボサにならないようにするための対処法をまとめました。筆を長く愛用するためにも、ぜひ参考にしてください。

広がった筆先をまっすぐに直す2つの方法

広がった筆先をまっすぐに直す2つの方法

広がった筆先を真っすぐに直す方法を2つ紹介します。

方法①ぬるま湯に漬けてほぐし、優しく丁寧に洗って乾かす

ぬるま湯に漬けてほぐし、優しく丁寧に洗って乾かす

1つ目は、ぬるま湯に漬けて毛束をほぐし、優しく丁寧に洗って乾かす方法です。
筆がボサボサになる原因には、筆の根本に墨が残って固まっていることが多いです。墨をきれいに取り除くと、広がりが直ることがあります。

手順1.40度くらいのぬるま湯に漬けておく

まず、広がった筆を40度くらいのぬるま湯に漬けておきましょう。漬ける時間は30分ほど。

なぜぬるま湯に漬けるかと言いますと、固くなった筆を柔らかくするためです。また、筆先に染みこんでいる墨を溶かしやすくする効果もあります。

手順2.毛先が柔らかくなったら、根元を優しく揉みほぐしながら洗う(繰り返す)

ぬるま湯に漬けておくと、毛束が柔らかくなります。柔らかくなったところで、根元を中心に手で優しくもみほぐしながら洗ってください。

根元がある程度ほぐれたら、毛先を含めて全体を揉みながら汚れ・墨を落としていきましょう。「揉む→洗い流す」を何度か繰り返します。ちなみに、筆用のシャンプーを使うと墨が落ちやすいので、使って洗うのもおすすめです。

手順3.穂先を下にして、吊るして乾燥する

丁寧に洗い終えたら、穂先を下にして吊るして乾燥させます。

しかし吊るして乾かしているうちに、洗い残した墨が降りてくることもあります。穂先が黒くなるのですぐに分かるのですが、こうなればさらにもう一度、優しく洗いましょう。

吊るしてしばらくすると、穂先に墨が降りてきます。(穂先が黒くなります)あんなに揉み洗いしたのになんで?と、目を疑うほど大量に降りてくる時もあります。また軽くほぐし洗いして吊るしてあげましょう。

筆はどうやって洗ってますか?|田邉葉心OFFICIAL WEBSITE

長く洗っていなかった筆ほど、墨はしつこく降りてきます。そのたびに何度も洗って、吊るす・・を繰り返してください。

手順4.筆に墨が降りてこなくなれば、完全に乾かす

吊るしても筆に墨が降りてこなくなれば(穂先が黒くならなければ)、そのまま完全に乾くのを待ちましょう。

乾かすところは、直射日光が当たらない風通しの良い場所が良いです。早く乾かすためにドライヤーやストーブなどの熱風を使うのは、厳禁です。あっという間に筆が傷んでしまうので絶対に止めてください。

手順は以上です。筆のボサボサの原因が墨だった場合はこれで直ります。もしまだ直らなければ、次の方法をとりましょう。

方法②毛束を糸で巻いて縛る

毛束を糸で巻いて縛る

2つ目は、毛束の根元側を糸で巻いて縛る方法です。

Yahoo!知恵袋で、ボサボサになった筆の対処法について相談した方がおり、根元を裁縫糸で縛ると書けるようにある・・と回答していた人が居ました。

毛先がぼさぼさになった場合や割れた場合は、根元を裁縫糸で5回以上(きれいに)巻いて縛ると書けるようになります。(巻いても割れる筆は、もう使えないと思ったほうがいいと思います。)

Yahoo!知恵袋

裁縫糸を巻いても筆先が割れてしまう場合は、買い換えた方が良さそうです。

ちなみに筆者は広がった筆というよりも、根元が膨らんでしまったときに糸で巻いて対処していました。あくまでも新しい筆が来るまでの、一時的な対処法なので(その筆を)ずっと使うことはできませんが‥。

筆先が広がる、ボサボサになる3つの原因

筆先が広がる、ボサボサになる3つの原因

筆先が広がってしまう、ボサボサになる原因について解説します。

原因①毛の根元に墨が溜まっている

毛の根元に墨が溜まっている

1つ目の原因は、毛の根元に墨が溜まっているからです。

筆が割れる原因は、大きく二つあります。
毛先の摩耗により筆がまとまらず割れる場合と、筆の根元の墨溜まりによる場合です。

筆割れは墨残りが原因です!|町田祥雲堂

よく洗っているつもりでも、内部にまだ墨が残った状態など落ちきっていないことがほとんどです。墨が残ったままだと、乾いた時に筆先が広がるだけでなく、根元も膨らんでしまいます。

墨が残っているかどうかの判断は、穂先をチェックすると分かります。筆の軸よりも穂先の方が太ければ、まだ毛束に墨が溜まっている状態です。

原因②使った後にすぐ洗わず、放置していた

使った後にすぐ洗わず、放置していた

2つ目の原因は、使った後にすぐ洗わずに放置していたからです。

洗わないでそのまま置いておく=墨が付いたままだと、毛が折れやすくなります。またカチカチに固まってしまい、乾いた時には毛先がボサボサになっています。洗わずに放置しておくのは、絶対に止めましょう。

Q:使用後の筆は洗った方が良いのですか?

A:洗わないということは、筆で宿墨造りをしていることですし、空気中から細菌を拾い培養していることです。膠の乾燥皮膜は固くて割れ易いものですから、筆の毛に墨が固着しますと、毛が折れ易くなります。(中略)

墨のQ&A|墨運堂

原因③直射日光に当てたり、ドライヤーを使って乾燥させた

直射日光に当てたり、ドライヤーを使って乾燥させた

3つ目の原因は、筆を乾燥する際に直射日光に当てたり、ドライヤーを使って乾燥させたからです。

洗い終わった後の筆は、自然乾燥が基本です。人間の髪の毛と同じように、筆の毛も直射日光はもちろんドライヤーなどの熱に弱いです。早く乾かしたいからといって、自然乾燥以外の方法で乾かすのは絶対に良くありません。穂先を傷め、筆の寿命を縮めてしまいます。

十分に水分を拭き取った後は、風通しのよい日陰で、早めに乾燥させてから、保管してください。直射日光に当てて乾燥させたりヘアドライヤーで乾燥させることは、穂先を痛める原因となりますので、絶対に避けてください。

筆の使い方|広島筆産業株式会社

筆先が広がらないようにするための対処法

筆先が広がらないようにするための対処法

最後に、筆先が広がらないようにするための対処法を2つ紹介します。

対処法①使った後はすぐに洗う

筆を使った後は、すぐに洗いましょう。洗わずに放置してしまうと、筆先が固まり墨も取れにくくなってしまいます。すぐに傷んでしまいますし、筆を長持ちさせるためには使った後にすぐ洗ってください。

筆者は書道を習っていた頃、自宅での練習後に「後で洗おう」と思っていたのに忘れてしまい‥ぬるま湯に漬けても、改善せず筆を台無しにした苦い思い出が残っています。洗わずにそのまま放置することは、筆先の広がり・ボサボサ筆へと一直線です‥。

対処法②冷水ではなく、ぬるま湯で洗う

2つ目の対処法は、筆を洗うときに冷水ではなくてぬるま湯を使うことです。

単純に冷水よりも、ぬるま湯の方が墨が溶けやすいためです。毛束の墨残りを防ぐためにも、溶けやすい・落としやすいぬるま湯で洗うようにしましょう。

筆を使い終わった後は墨が固まる前に、筆の毛の根元部分を指で揉んで、極力ぬるま湯にて洗います。
ぬるま湯の理由として墨は冷たい水より温かめの水の方が溶けやすいため(中略)

書道家が筆の洗い方、直し方をメーカーの知恵も借りながら全力で考える|藤井碧峰
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